企業再生と会社清算、どちらを選ぶか

会社が窮地に立った場合、経営者としては①企業再生②会社清算という2つの選択肢を思い浮かべるのではないでしょうか。
①企業再生=事業を存続させること、②会社清算=事業を廃止(廃業)すること、をイメージしてください。

では、経営者にとって①企業再生と②会社清算の違いは、どこにあるのでしょうか。

もちろん手続や結果が大きく違います。また、その違いについては様々な考えがあります。しかし、経営者にとっての本質的な違いは、従業員の生活を守ることができるかどうかにあるのではないかと思っています。

経営者が企業再生を選択する重要な意味は、従業員の雇用と生活を守ることにあるのではないでしょうか。

一般的に、経営者がより苦労するのは、会社清算よりも企業再生です。
代表的な清算型手続である破産(注)であれば、裁判所が破産管財人となる弁護士を選任するので、経営者は全面的に破産管財人に任せることができます。
 (注) 破産であっても、破産管財人が事業を譲渡し、従業員の雇用を維持することもあります。

他方、企業再生では、必ずしも経営者の地位にとどまれるわけではありませんが、その場合でも、銀行や取引先などの債権者に対する対応をしたり、事業存続のためにスポンサー探しをしたり、従業員対応をしたりと、弁護士の助けを受けたとしても、自ら責任を持って尽力することになります。

企業再生を成し遂げた経営者を見ていると、苦労することがわかっていても従業員の生活を守るというプライドを感じます。
自身は会社に残れないのに、従業員のために企業再生に尽力する経営者もたくさんいました。

もちろん諸事情により会社清算(廃業)しかできない場合はあります。しかし、経営者の皆様には、苦労することが分かっていても、社長の地位にはいられないとしても、従業員の生活を守るために企業再生による事業存続(注)を選択して欲しいと思います。
(注)旧会社は清算することになっても、合併、会社分割、事業譲渡などによって事業を他の会社に譲渡することによって、事業存続し雇用を維持する場合を含みます。

そのような経営者の力になりたいと考えています。

 

 

 

 

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